アーユルヴェーダの「トリグナ」〜心の質を知ることで整える〜

アーユルヴェーダには、体のバランスを表す「ドーシャ(ヴァータ・ピッタ・カパ)」の考え方がありますが、実はもう一つ大切な視点があります。

それが、「トリグナ(三つの心の性質)」という考え方です。

これは、私たちの「心のあり方」や「精神状態」を読み解くための知恵で、
より深く自分を理解したいときに、とても役立ちます。

目次

トリグナとは?

サンスクリット語で「トリ」は“3つ”、“グナ”は“性質”という意味。

アーユルヴェーダやヨーガでは、心には3つの性質があるとされます。

それが以下の3つです:

サットヴァ(純性)

ラジャス(激性)

タマス(鈍性)

これらは誰の心の中にも存在しており、バランスによってその人の思考・行動・感情の傾向が変わります。

①サットヴァ(Sattva)〜調和・純粋性〜

サットヴァは、澄んだ心、静けさ、明晰さ、思いやりを象徴します。

• 穏やかで落ち着いた人

• よく考えてから行動する

• 他人にやさしく、利他的な精神を持っている

サットヴァが多いとき、私たちは心がクリアで、冷静で、愛と思いやりを持って過ごせます。

🧘‍♀️整えるポイント:瞑想、自然とのふれあい、純粋な食事(無農薬の野菜など)など。

②ラジャス(Rajas)〜情熱・動性〜

ラジャスは、行動力、欲望、興奮、達成へのエネルギーを象徴します。

• 常に忙しくしていたい

• ゴールを求めてがんばる

• 競争心が強く、刺激を好む

ラジャスが強くなりすぎると、怒りや焦り、疲労感が出やすくなります。

🔥整えるポイント:休息をとる、深い呼吸を意識する、過度な刺激(スマホ・カフェイン)を減らす。

③タマス(Tamas)〜停滞・鈍性〜

タマスは、重さ、無気力、無知、停滞のエネルギーです。

• やる気が出ず、動きたくない

• ネガティブ思考にとらわれやすい

• 朝起きるのがつらい、気力が湧かない

タマスが増えると、心も体も重くなり、物事を前向きにとらえられなくなります。

🌑整えるポイント:朝日を浴びる、軽めの運動、スパイスの効いた食事などで“流れ”を作る。

トリグナとドーシャの違いは?

ドーシャ=身体や気質のバランス(体質)

トリグナ=心の傾向(精神の質)

たとえば「ピッタ体質」で「ラジャスが強い」といったように、両方の性質を理解することで、心身の状態をより立体的に捉えることができるのです。

自分の心の状態に気づく習慣を

私たちは日々、サットヴァ・ラジャス・タマスの間を行き来しています。

忙しくてイライラしている日はラジャスが優勢かもしれませんし、雨の日にやる気が出ないのはタマスが増えているサインかもしれません。

そんなとき、「あ、自分はいまラジャスが強いかも」と気づくだけで、対応策が見えてきます。

アーユルヴェーダの知恵は、自分を責めるのではなく、“今の自分”をやさしく整える道しるべになります。

忙しさや不安、情報の多さに飲まれやすい現代。

そんなときこそ、自分の心の性質=トリグナを知ることで、本来のバランスを取り戻すことができます。

今日のあなたは、どのグナが優勢でしたか?

一日1分、3分でも、自分の心を静かに見つめる時間をつくってみてください

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